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- 株式会社 ハッピーホリック大阪
- 8月23日
- 読了時間: 2分
更新日:8月25日

2000年、当時20歳の彼は、大学のキャンパスでようやく使えるようになったばかりのインターネットに胸を躍らせていた。携帯電話は折りたたみ式、メールはまだ簡素な文字のやり取りに過ぎず、SNSという言葉さえ一般的ではなかった。しかし彼は直感していた。「情報技術は、僕たちの生き方を根本から変える」と。
社会人となった2005年前後、職場に導入されたパソコンはまだ一人一台が当然ではなかった。会議資料は紙が主流、出張の際には分厚い書類を抱えて移動した。だが、同時にブロードバンドが急速に普及し、検索エンジンやネットショッピングが生活に浸透していった。彼は「ITが世界を変えていく」と悟る。
2010年代に入るとスマートフォンが爆発的に普及し、彼の生活も一変した。通勤電車では新聞の代わりにニュースアプリ、待ち合わせは地図アプリで正確に、日常の買い物はワンクリック。SNSが人間関係をつなぎ直し、彼は旧友ともオンラインで再会した。かつての「遠さ」が、距離ではなく「接続環境の有無」に変わった瞬間だった。
30代後半の彼は、クラウドとリモートワークの波を経験する。子育てと仕事を両立させるために、家庭のリビングがオフィスとなった。AIによる自動翻訳やチャットボットが普及し、「人がするべき仕事」と「機械に任せられる作業」の線引きを意識せざるを得なくなった。彼はむしろそれを歓迎した。効率化は余白を生み、家族と過ごす時間や新しい学びの時間を確保してくれたからだ。
そして2025年、45歳となった今。生成AIが創造の補助者となり、データは資源として国を動かす力を持つ。若い頃「パソコンを早く打てること」が特技だった自分が、今ではAIにアイデアを相談し、デザインや文章を共に作るようになった。「AI」彼から仕事を奪ったのではなく、人生の可能性を拡張した。
彼はふと振り返る。「2000年、ただの学生だった自分が、今は世界と同時につながり、「AI」を相棒にして未来を描いている。情報技術は、僕の人生を『不便から便利へ』ではなく、『制限から自由へ』変えてくれたのだ」と。
この25年、ITの進化は彼の人生を縮図のように映し出し、同時に彼自身をその歴史の一部へと組み込んでいった。あの時、直感で感じた「ITは世界を変えていく」という想像は現実のものとなっていったのである。
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